FIFA ワールドカップ 2026 欧州予選|激戦を制した18か国の軌跡

FIFA ワールドカップ 2026 欧州予選

FIFA ワールドカップ 2026 欧州予選は、2026年にアメリカ合衆国・カナダ・メキシコの3カ国共催で開催されるFIFA ワールドカップ 2026のヨーロッパ出場枠を争う予選である。欧州サッカー連盟(UEFA)に加盟する55協会のうち、ウクライナへの軍事侵攻を理由にUEFAおよびFIFAの大会から無期限出場停止となっているロシアを除いた54カ国が参加した。今大会から欧州への出場枠が従来の13から16へ拡大されたことで予選フォーマットも刷新され、グループステージとプレーオフの2段階構成で本大会出場国が決定した。2025年3月に開幕し、2026年3月31日のプレーオフ決勝をもって全出場16カ国が出揃った。

予選フォーマットと出場枠の拡大

2023年1月25日、スイスのニヨンで開催されたUEFA執行委員会において、改定された予選フォーマットが承認された。前回2022年大会では欧州枠が13であったのに対し、FIFA ワールドカップ 2026 欧州予選では16枠へと拡大されたことが最大の変更点である。これに伴い、予選はグループステージ(12グループ)と2次予選(プレーオフ)の2ラウンドで構成される新方式が採用された。グループステージではグループ1位の12カ国が直接出場権を獲得し、各グループ2位の12チームとUEFAネーションズリーグ2024-25の成績上位4チームの計16チームがプレーオフに回り、残る4枠を争う仕組みとなった。

グループステージの概要

グループステージは、54カ国を4チームまたは5チームの12グループに分けてホーム・アンド・アウェー方式の総当たり戦で実施された。4チームのグループ(グループA〜F)は2025年9月開幕、5チームのグループ(グループG〜L)は2025年3月開幕と、グループ規模によって開始時期が異なる設計となっている。組み合わせ抽選は2024年12月13日にスイスのチューリッヒにあるFIFA本部で行われた。グループステージを通じてグループ1位となった12カ国、すなわちドイツ・スイス・スコットランド・フランス・スペイン・ポルトガル・オランダ・オーストリア・ノルウェー・ベルギー・イングランド・クロアチアが、グループステージ終了時点で本大会への出場権を確定させた。

グループ1位(12カ国)
ドイツ・スイス・スコットランド・フランス・スペイン・ポルトガル
オランダ・オーストリア・ノルウェー・ベルギー・イングランド・クロアチア

プレーオフの仕組み

プレーオフは2026年3月に実施された。グループステージ各グループ2位の12チームに加え、UEFAネーションズリーグ2024-25でグループ3位以下ながら上位にランクインした4チームを加えた計16チームが参加した。16チームは4チームずつパスA・B・C・Dの4ブロックに分けられ、各ブロック内でノックアウトトーナメント方式(準決勝・決勝の1試合制)を行い、各ブロック優勝の4チームが本大会出場権を得た。通常時間内に決着がつかない場合は30分の延長戦が行われ、それでも同点の場合はPK戦で勝者を決める規定とされた。政治的対立を考慮し、同一ブロックに入れないよう指定された対戦も複数設けられていた。

プレーオフ結果と最終出場国

2026年3月26日に準決勝、同31日に決勝が行われ、4つのプレーオフ枠の帰趨が決した。パスAの決勝ではイタリアとボスニア・ヘルツェゴビナが延長戦を経てPK戦に突入し、ボスニア・ヘルツェゴビナが勝利。イタリアは3大会連続でワールドカップ出場を逃す結果となった。パスBはスウェーデンがポーランドを3-2で下し、本大会グループFに入ることが決定した(同グループには日本代表も属する)。パスCはトルコがコソボを1-0で退けて出場権を確保し、パスDはデンマークとチェコがPK戦の激戦を制したチェコが本大会進出を決めた。

  • パスA:ボスニア・ヘルツェゴビナ(PK戦でイタリアを破る)→ グループB
  • パスB:スウェーデン(3-2でポーランドを破る)→ グループF
  • パスC:トルコ(1-0でコソボを破る)→ グループD
  • パスD:チェコ(PK戦でデンマークを破る)→ グループA

欧州出場16カ国一覧

FIFA ワールドカップ 2026 欧州予選を経て本大会へ出場を確定させた16カ国は以下のとおりである。グループステージ突破12カ国とプレーオフ通過4カ国を合わせた顔ぶれは、ドイツ・フランス・スペイン・イングランドといった伝統的強豪から、ノルウェー・オーストリア・スコットランドなどここ数年で台頭してきた国々、さらにボスニア・ヘルツェゴビナのような新興勢力まで多彩な構成となった。枠が13から16へ拡大された恩恵もあり、複数の国が久々または初に近い形での本大会出場を果たしている。

出場経緯 出場国
グループステージ1位(12カ国) ドイツ、スイス、スコットランド、フランス、スペイン、ポルトガル、オランダ、オーストリア、ノルウェー、ベルギー、イングランド、クロアチア
プレーオフ勝者(4カ国) ボスニア・ヘルツェゴビナ、スウェーデン、トルコ、チェコ

注目の落選国

出場枠が拡大されたにもかかわらず、強豪国の落選は大きな話題を呼んだ。特に注目されたのはイタリアである。2018年大会に続き2022年大会でも本大会出場を逃していたイタリアは、プレーオフ決勝でボスニア・ヘルツェゴビナに延長・PK戦の末に敗れ、3大会連続でのUEFA最大の”スキャンダル”として欧州中で報じられた。また、ポーランドはプレーオフ決勝でスウェーデンに惜敗し、ウクライナは準決勝でスウェーデンに敗退して本大会出場を逃した。強豪が軒並みプレーオフに回った欧州予選の熾烈さを象徴する結果となった。

ロシアの出場停止

2022年2月のウクライナ侵攻を受け、UEFAおよびFIFAはロシアを国際大会から無期限出場停止処分とした。この措置により、FIFA ワールドカップ 2026 欧州予選への参加対象は55協会中ロシアを除いた54協会となっている。ロシアの出場停止は2026年大会においても継続されており、当該処分が解除される時期は2026年6月の時点でも未定のままである。UEFA加盟55協会の中でロシアのみが全ての予選プロセスに参加できない状態が続いており、欧州サッカー界の地政学的緊張を色濃く反映した状況となっている。

グループFと日本との関係

欧州予選プレーオフのパスBから出場権を獲得したスウェーデンは、本大会のグループFに配属された。同グループには日本代表・オランダ代表・チュニジア代表も含まれており、日本サッカーファンにとってはパスBの行方が本大会のグループリーグ相手を左右する直接的な関心事となった。スウェーデンがポーランドとの決勝を3-2で制したことで、グループFの顔ぶれが確定。グループFの試合は2026年6月14日から25日にかけてメキシコ・モンテレイほかで行われる予定である。

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